名古屋市内の高校に通う1年生の三田アイコ(富田靖子)、通称ラブたん。明るく慌てもので、ちょっとセンチメンタルな彼女の恋や友情といった日常の日々をみずみずしく描いた、80年代青春アイドル映画の象徴的作品。
『フルーツ・バスケット』などで自主映画界で注目を集めていた今関あきよし監督の劇場用映画デビュー作であり、大林宣彦監督が監修としてバックアップしている。少々気恥ずかしくなるほど喧騒に満ちた少女たちの明るさやさわやかさの中、ふと見せるヒロインの寂しそうな表情が印象的。これがデビューとなった富田靖子の初々しい個性も多分に機能している。劇中、サザンオールスターズなどの楽曲が画面を彩るが、『I NEVER FOLLING LOVE AGAIN』が流れる夏合宿の花火シーンは出色。(的田也寸志)